千葉県の山の中にひっそりと立つ笠森観音堂。
初めて見たとき、「え、これどうやって建てたの!?」と素で声が出るくらいの衝撃でした。
巨岩のてっぺんに、まるで空中に浮いているみたいにお堂が乗っていて、日本で唯一の「四方懸造(しほうかけづくり)」という建て方なんだそうです。

清水寺のように片側だけを支える舞台造りとは違い、山頂の巨岩の上に建物の四方すべてが61本の柱によって支えられています。
そのため、どの方向から見ても空中に浮いたような独特の存在感があります。
近くまで行くと、下を支える柱の数と長さに圧倒されます。
「こんなに細いのに大丈夫!?」と心配になるけど、何百年も耐えてきた実績があるので、むしろこのしなやかさが強さなのかも。
東日本の震災時は、もちろん揺れたそうですが、どこも壊れることはなかったそうです。
岩の形に合わせて柱の長さが微妙に違ったり、木組みが複雑に組み合わさっていたり、まさに「地形と一緒に作られた建物」という感じで、見ているだけで面白かったです。

階段を上がって回廊に出ると、観音堂の周りをぐるっと歩けて、下には国の天然記念物の自然林が広がっています。
お堂の中は外の開放感とちょっと違って、静かでしっとりした雰囲気。
外陣は明るくて素朴な感じで、奥の内陣は彩色もあって急に荘厳。
秘仏の十一面観音が祀られている空間は、少し空気がピンとするような不思議な静けさがありました。
参道には「三本杉」や「子授け楠」など自然の名所も多く、全体として“建築と自然が一体になった霊山”という言葉がぴったりでした。
派手さはないけれど、歴史と技術、自然の力強さを体で感じられる不思議な笠森観音堂は、忘れられない場所でした。


