道を通っていると、あちこちに彼岸花が咲いています。
いきなり真っ赤な花が咲いているのを見るので、びっくりします。
どんなに夏が暑くても、ちゃんとお彼岸の時期に彼岸花が咲くのは不思議だと思ったのですが、どうやら日照時間に関係しているようです。

ヒガンバナは「短日植物」に分類されます。
夏至以降、昼の時間が短くなり始め、一定の日照時間(約12時間以下)になると 花芽形成のスイッチ が入ります。
また、気温も関係しています。
日照時間が短くなるだけでなく、夏の暑さが和らぎ、夜の気温が下がることもトリガーになります。
秋分の日のあたりは、昼と夜がほぼ同じ長さ(約12時間)。
そのため、日本各地でほぼ同じ頃(9月中旬~下旬)に一斉に咲きます。
この頃が、ヒガンバナにとって花芽が一気に成長・開花するのに最適な日照条件。
だから「必ずお彼岸の時期に咲く花」と言われるのだそうです。
また、いきなり花が咲き、葉が無いのにどうやって栄養分を蓄えるのかと思ったら、花の後にちゃんと葉が出てくるのだそうです。
これは「夏の乾燥や高温を避けるための適応」だと考えられていて、秋から冬に葉が出て春に枯れており、秋に一気に花を咲かすというサイクルになっているのだそうです。

また、彼岸花が人里の近くにあって、山中などにない理由は、飢饉の時に備えるために植えてあると言われています。
球根には毒が含まれていて普段は食べませんが、飢饉の時は皮を剥き水にさらして澱粉を取り出し、食料にするための救荒植物だったそうです。
田畑や土葬の周囲に植えることで モグラやネズミ避け にも役立ちました。
昔の人の知恵はすごいです!

最近彼岸花も赤だけではなく、白い花も見かけるようになりました。
初めてみた時は、色が抜けたのかと思い、少し不気味に思いました。
自然界では「赤」が基本ですが、「白」や「黄色」は近縁種や交雑種で、園芸的に広がっている
のだそうです。
私は、彼岸花はやっぱり「赤」が良いかな〜